厳しい先輩、その裏には…？

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厳しい先輩、その裏には…？

働く場所の人間関係ってとても大事ですよね。初めてする処置にもドキドキなのに、先輩からのプレッシャーにもドキドキ。でも、これはみんなが感じるもの。このプレッシャーに負けてはいけません！

私が出会った厳しい先輩

どこの病院やクリニックにも、「お局様」的存在の、ちょっと話しかけづらい怖そうな先輩がいると思います。いないところももちろんあるかとは思いますが…

私が１年目に就職したところは大学病院で、そこで私は初めてこんな怖い助産師がいるのかと驚きました。というのも、私が助産学生だった時に出会った助産師は皆親切で、笑顔だったからです。

入職して早々、私含め同期は、この先輩には気をつけた方が良いと感じました。なぜなら、この先輩がフォローについた同期は必ず涙を流していたからです。

そして、ついに私もその日がやってきました。朝に「おはようございます。今日一日よろしくお願いします。」と声をかけるも、「あ、そう」という一言。

このあっさりした返答に、これから何が起こるのか、ちゃんと自分がついていけるのかと、ドキドキドキドキ…

そして勤務開始。先輩は私が行なう一つ一つに質問をしてきました。もちろんこれは予想していた通り。私も先輩の質問に細かく答え、先輩も「じゃあ次」といった形で作業が進みました。

しかし、この間に先輩の笑顔はなく、私の緊張状態も続いたまま…。そして、私が質問に答えられなかった時、先輩が「じゃあこれはやらなくていいから」と言ってきました。

私はとてもショックで、やらなくていいってどういうこと？そして、教えてくれないの？と思いました。しかし、自分の学習が足りなかったのだと反省し、この課題を家に持ち帰りました。

そんな新人トレーニングが数週間続きましたが、この先輩は依然として笑顔で話してくれることもなく、時には厳しい口調で指導することも多々ありました。

厳しさの裏には愛があった…

そんな日々が続き、私も２年目・３年目となり、ついにリーダーとしてトレーニングをする日がやってきました。そして、もちろんの如く、私のトレーナーはその先輩でした。

厳しいトレーニングが続き、時には「なんでわからないの？今まで何してたの？」等と言われることもあり、自分が出来ないことに対して、悔しくて涙を流すこともありました。

そして、トレーニング最終日、その先輩が私に話しかけてきました。「私はあなたのトレーナーに立候補したのよ。あなたは言われたことを忠実にするし、できなかったことをそのままにしない。

できなかったことをそのままにしたら、もしかしたら、いつか患者さんを危ない目に遭わせることだってある。そして、助産師は妊産婦さんの視点から、何が一番のケアなのかを考えなければならない。

助産師はお産の数をこなせばいいってもんじゃない。もちろん経験数は大切だけど、一つ一つの事例にどう自分が向き合っていくかがとても大事。私はあなたを数年みて、あなたがどう成長してきたのかをまたこのトレーニングで確認したいと思ったの。

良い成長をしているから、これからもっともっと経験しなさい。」と話してくれたのです。私は、まさか先輩がこんなことを思っていると考えもしなかったので、非常に嬉しいことでした。

いつも「厳しい」「怖い」と言われている先輩の見方が一気に変わりました。そして、この厳しさは、後輩の成長のため、そして、妊産婦さんを思う助産師を育てるためなのだと理解しました。

プレッシャーに負けない助産師に。

先輩との人間関係に悩む助産師は沢山いると思います。私の例は、ただ一つの例に過ぎないかもしれませんが、この問題に悩む人のために、私が言えることをここにあげます。

まず、もしあなたが一年目やまだ経験や知識が足りないと思う方。とにかく、どんどん勉強しましょう。そして、実際に患者さんをみて、実際起きていることと教科書で言われていることを照らし合わせてみましょう。

知識がない状態で患者さんをみるということは不可能です。どれだけ勉強しているか、先輩はそれを分かっています。成長してほしくて、先輩は厳しくなるのです。

私もプリセプターや指導者としての経験もしてきましたので、どうしても厳しくなってしまうという気持ちはわかります。ただ、笑顔がないのはただ恐怖心を与えてしまうので、それはしていません。

厳しいところを乗り越えて、ちょっと余裕が出てきた時に、今まで気付かなかった助産師の魅力や仕事の楽しさに気付くと思います！

だから、先輩からのプレッシャーに負けてはいけません！心も強い助産師になれてこそ、妊産婦さんも支えられる、強い助産師になれるのではないでしょうか。

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