当サイトはアフィリエイト広告を掲載しています


助産師は満月が嫌い・・・?!
旧暦時代の人たちは、月の満ち欠けを見て今日が何日なのかがわかっていました。
そして、私たち助産師も月の満ち欠けを見て、明日の勤務は激動か穏やかな勤務になるのかが予測できます。
よく「満月の夜はお産が多い」「満潮の時期はお産が多い」というのを聞いたことがある人もいらっしゃると思います。
しかし、この説は医学的・科学的には原因が解明されていません。すべての説が「・・・かもしれない。」というものです。
お産自体が、解明されていないことだらけなのですが、この月や潮の満ち引きと出産の関係を経験と合わせてお話ししたいと思います。
ベテラン助産師の日課
助産学校の実習で、とある助産院に1週間だけ実習として泊まり込みで滞在していたことがあります。
そこの院長である助産師はこの道30年以上のベテランで、見た目は厳しそうな怖い印象でした。
また性格もきつくて怖かったです!まだまだ甘い、経験の少ない私たち学生はそのきつい言葉を浴びさせられながら日々通っていました。
その助産師は毎朝、新聞を読みます。もちろん社会情勢などの確認のためなのですが、必ず見るのが潮の満潮時刻だそうです。
どの新聞にもその欄があるそうですね。
その助産師いわく、「お産が重なったなー」「陣痛が始まったという電話が多かったなー」と思うときは必ず満潮時刻なんだそうです。
さらに満月の時期がかぶると更に多いんだそうです。潮の満ち引きは月の公転が関係してますしね。
もちろん例外もあると思いますが、30年以上・何千もの出産に関わってきた人が言うんだからとても説得力がありますよね。
実際に、私たちがいた期間がちょうど満月の期間でして、満月の次の夜に出産に立ち会わせていただくことができました。
他にも、これまた40年以上のベテラン助産師の著書を読んでいると、その方も満潮の時刻を新聞で確認する、というのがありました。
やはり助産師と月・潮の満ち引きは仕事をする上で欠かせない関係なんだな、と感心しました。
臨床に出て感じる満月と満潮のすごさ
私の勤めていた病院は年間1400件以上の分娩を扱う大きな病院でした。
計算すると月に100件以上の分娩があります。ものすごく忙しい日々でした。
特にその忙しさを感じるのが、やはり満月の時期です。個人としては、満月の夜はもちろん、その3日前後も分娩がぐっと増えると感じています。
時には、8時間の日勤帯で8人ものベビーが誕生したことがあります。ええ、このときは残業決定、日付が変わる頃に日勤者は家路についていました。
そんな日にふと空を見上げてみると、まんまると太った月が町を照らしているではありませんか。
この仕事に就くまでは満月を見たらなんだか幸せな、安らぐ気持ちになっていたのですが今ばかりは、ため息が出るだけです。
この話を助産師仲間にいうと皆激しく同意してくれます。みなさん思うことは一緒ですね。
あとは、新月の時も満月ほどではありませんが、分娩が増える傾向にあると思います。
つまり約15日周期で忙しい時期がやってくるんですね。
そして、「17時前後がすごく忙しかった・・・、何であんなに一斉に重なるの、赤ちゃんはみんなタイミング合わせてるの?」
と思う時は、なんとその時間が満潮時刻だったりします。
やっぱり、月と潮の満ち引きはふか~く関係するのだと実感しました。
それを実感してからは、私も満潮時刻をスマートフォンやネットで調べてから出勤するようになりました。
まあ100%当てになるかというと、そうではないのですが、あくまでも分娩が多くなりやすいという傾向があるとして、仕事するにあたっての心構えとして調べています。
なぜそんなことが起こるのかというと、海の成分と羊水の成分は似ているから、月の影響を受けやすい、とか
やはり人間も動物であり、天敵から自分と赤ちゃんを守るため、夜間に陣痛が起こり、安全のため一番明るい満月の夜に出産できるようにしている、とか
色々説はありますが、どれもこれも実証できていません。教科書にも載っていません。
そう思うと人体にはまだまだ解明されていないことって、たくさんあるんですね。
満月の影響はどこでもいっしょ
上記にもあったように、とても分娩件数の多い病院だったので、満月の時期になると1週間はずっと忙しい日々が続きました。
出勤する前から忙しくて疲れるのが目に見えているのが、とても辛かったです。大変勉強になるし、仕事自体は楽しかったんですが、
もう少し余裕を持って仕事をしたいと思い、分娩件数が月30-40件ほどの病院に転職しました。
そこでも、やはり月と潮の満ち引きの関係はもちろん避けられず、その時期になると忙しくなったんですが
多くても1日24時間を通して出産は5-6件だったので、そこまで激しさはありませんでした。
日勤帯だけでいうと、多くても2,3人だけです。夜勤は16;00-翌9;00までで時間が長いので、扱う分娩件数は多くなりましたが、分娩件数が少ないということは、
入院している患者数も少ないのでじっくり分娩に関わる時間は以前よりも長くとることができました。
同時に何人もの分娩進行中の妊婦を抱えて仕事するのは大変でしたが、以前と比べて同時に扱う人数が違ったので割と落ち着いて仕事ができるようになり良かったと思います。
月からの影響なので、よく考えると当たり前なんですが、以前の病院に勤めている時は「この病院の分娩件数が多いからこんなに忙しいんか!」
と思っていましたが、満月の時期はどこの職場も荒れますね。当たり前ですね。
産科のカレンダーは必ずと言っていいほど、月の満ち欠けも一緒に書かれたものです。
そのカレンダーと、勤務表を見ながら「あ、この満月と新月の日は日勤だ」とか「よし、3連休だから忙しい時期とかぶらないかも。」とか
よく同僚と話しをしていたのを覚えています。
満月の期間は忙しい、でも職場による!
ということが、本当に働いていて感じました。
月100件以上の職場だと、目まぐるしく目の前で分娩が進んでいって、記録するときに「今日、扱った分娩の記録が頭の中で混ざって分からなくなる・・・」
ということがよく起きていました。
もちろん、分娩件数が多いということはそれだけバリエーションが豊かで、経験も早く積むことができます。
月30-40件程度の職場だと、確かに満月や潮の満ち引きの影響で分娩が他の日よりも重なって忙しくなりますが、一人ひとりの産婦さんと関わることが出来るし、記録が追い付かなくて残業が多い、
ということもありません。
扱う分娩件数も職場選択ではとても重要な判断材料の一部だと思います。
転職コンサルタントとお話しする時も、ぜひこの情報を手に入れてもらい、転職に役立ててください。
きっと、経験をしたいことやあなたの働き方に合った職場が見つかると思います。


執筆者情報
助産師の求人と転職 編集部
助産師の求人と転職は、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。