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辛い場面にも立ち会う助産師

助産師は、命の誕生の瞬間に立ち会います。それを、誰もが素敵な仕事だと思います。しかし、助産師が立ち会うすべてが、幸せなことだとは限りません。

助産師は、辛い場面に遭遇している家族に寄り添うこともあります。それも助産師の重要な仕事の一つです。

救えない命があること

私が働いていた大学病院では、超音波スクーリニングに優れた医師が多くおり、またNICUや小児外科の医師も充実していましたので、クリニック等でハイリスクと判断された妊産婦さんが多く来られていました。

ある日、妊娠28週の妊婦さんが、胎児に腫瘍の様なものがあるということで、精密検査のために他院から来られました。

もちろん、その妊婦さんはとても緊張した様子で、医師の話を聞いていました。

当院の医師の判断も、おそらく腫瘍であろうとのことで、妊婦さんは入院管理することとなりました。そして、私はこの妊婦さんのプライマリー助産師になりました。

私は当時、MRI画像を見て、「胎児にこんなに大きな腫瘍がある…?」とショックが大きく、担当の医師とこの状況をよく話し合いました。

妊婦さんは、「私の生活習慣が悪かったのか」等と、自分を責める発言が多く見られており、私は何度も「誰のせいでもない」と話しましたが、絶対に大丈夫と言える状況でもなかったので、何と声をかけたらよいのかいつも悩んでいました。

助産師として、彼女に何が出来るのか、先輩とも良く話し合いながら、関わりをもっていきましたが、話を聞くことが当時の私には精一杯で、力のない助産師だなと自分の出来なさに自信を失うこともありました。

そんな中、胎児の腫瘍はどんどん大きくなり、妊婦さんもミラー症候群といって胎児と似たような症状がおき、胸部に水がたまり、呼吸困難になってしまったのです。

医師は緊急帝王切開をする旨を、妊婦さんと家族に伝えました。そして、産科医師・NICU・小児外科医師立ち会いのもと、帝王切開が行なわれました。

私は、緊迫したこの状況の中で、心の奥底で「いつも先生達は赤ちゃん達を助けてきたんだから、この子もきっと助かる」と思っていました。

児が出生したあと、すぐに児の腫瘍摘出術が行なわれました。

私は帝王切開後のケアを行なっていました。そんな時、私の上司は、私に赤ちゃんが手術中に亡くなったことを知らせました。

私は、何を言われたのか正直理解出来ませんでした。「さっきまでお腹の中で生きていた赤ちゃんが亡くなった…?」

出生後に赤ちゃんが亡くなるという場面に立ち会ったのは、助産師になってこの時が初めてでした。

そして、医師がご本人さんと旦那さんに、赤ちゃんが亡くなったことを伝えました。お2人はただただ涙を流していました。

ご本人さんの呼吸状態もまだ不安定で辛い中、この知らせは本当に辛いものだったと思います。

状態がやや回復して、家族で赤ちゃんと面会をしました。私が面会の場を作ったのに、私自身が涙を流していることに気付きました。

助産師は妊産婦さんを支えなければならない、強くならなければならないって思っていたので、泣いてしまった自分に動揺しました。

しかし、彼女は私に、「一緒にいてくれてありがとう。一緒に泣いてくれてありがとう」と話してくれたのです。

助産師として、人として、本当に耐え難い状況だったけれど、一緒にこの気持ちを共感することの大切さを痛感しました。

乗り越える母の力

約2年後、このご夫婦がまた病院にやってきました。妊娠が分かったからです。

この知らせを聞いて、私は本当に嬉しかったです。そして、彼女は「亡くなった子のことは絶対に忘れられないけれど、お腹の子を大事に大事に育てます」と笑顔で話されていました。

私は彼女からパワーをもらった気がしました。そして、母の強さというものを彼女から感じました。

我が子の死とは本当に耐え難いもので、悲しい出来事です。でも、悲しみにふけるだけではなく、前を向いて進むことが大事だなと感じました。

助産師の力

このように助産師は、幸せなことだけでなく、辛い場面にも立ち会うことがあります。辛い場面がないことを祈りたいですが、そうもいかないのが現状です。

辛い場面に遭遇した場合、助産師としてどう関わるか、本当に難しいことです。ただ、辛いことがあった時に、自分が一緒に折れてはいけません。

強い精神をもつことが助産師には必要になります。ただ、助産師も人なので、涙を流すことも時にはあると思います。

妊産婦さんの気持ちに寄り添う、どんなことがあっても柔軟に対応できる助産師になれたら素敵だと思います。

妊産婦さんは助産師からパワーをもらいますし、それとは逆に助産師がパワーをもらうこともあります。

辛い出来事に遭遇することはあるとは思うけれど、それでも助産師の仕事は素晴らしいものだということは忘れないでください。

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執筆者情報

株式会社ドリームウェイ助産師の求人と転職 編集部

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